私は「WEBデザイナー」という職種柄、エージェントから紹介される求人の中には、インハウスデザイナー( = 事業会社内でのデザイナー)も含まれています。
インハウスデザイナーは広報的な仕事が多いため、そういった仕事をやりたい新卒君も多いように思います。
今回は、広報になりたい人に向けて、デザイナーになることをおすすめする内容を書いていきたいと思います。
私は転職活動中のWEBデザイナー(といってもほぼほぼコーダー)です。
自社でWEBマーケティングに関わる仕事をしたく、いろんな会社を見ているところです。
広報とインハウスデザイナーの違い
一般的に言われている広報職は、会社の顔であり、社外に会社の魅力を売り込むコミュニケーション能力が必要になります。
- マスコミや社会に情報を発信するプレスリリース
- メディアからの取材対応
- SNSやブログ発信
- 社内広報(企業理念やビジョンの社内浸透、コミュニケーションの活性化)
- イベント企画運営
- 炎上した時の窓口対応
一方、インハウスデザイナーの仕事内容は、デザインスキルを持ち合わせているのは前提として、デザインを中心に様々な広報活動に携わることができます。
- 自社WEBサイトのキャンペーンバナーやページ作成・新商品やお知らせなどの更新作業
- ロゴやトンマナなどの決まりを作り、自社のブランドを作り上げる
- もちろんデザイナーなので、WEB以外にも携わる。ポスター、パンフレット、パッケージ、グッズ、パワポのデザイン作りもある。
- 企画すれば、SNSの更新や広告運用、イベント運営などに関わることも可能。
- 会社によっては常に仕事があるわけではないので、電話対応などの事務的な仕事をお願いされることも多い。
やる範囲は若干違いますが、「自社の魅力を発信する」といった要素はどちらも一緒であるように思います。
新卒で広報になりたい人の中には、インハウスデザイナーでもやりたいことをやれる人も多いように思います。
新卒問わず「広報」の求人は少なく、入社後にジョブローテーションでなることも多い職種です。
広報は人前に出る仕事であるため、テレビで出てくる広報のように、華やかなイメージがあるかと思います。
しかし、実際は様々な企業とのコネクションを作る必要があるので、営業と同じように何度も何度も交渉して掴み取るような泥臭い仕事です。
また、広報の仕事だけではなく、広い視野で会社を見て、会社のサービスや特徴を理解することも重要となります。
そういった特殊な職種であるため、
「ジョブローテーションをして、会社の様々な役職や事業所を回った経験がある人を広報にしたい」
と考える会社も少なくありません。
さらに、中小企業だと「会社を一番に知っているのは社長」であるため、社長の仕事は広報業務も兼ねていることも多いです。
そういった背景から、広報の求人は他の職種と比べて少ない傾向にあると言われています。
「インハウスデザイナー」を目指した方が、理想の広報になれるかもしれないよ。
「それでも、僕は新卒で広報になりたいんだ!」と思うならば、デザイナーの勉強をしてみてはいかがでしょうか?
広報もインハウスデザイナーも、「自社の魅力を伝える」といった点では一緒の仕事になります。
大企業内のインハウスデザイナーは広報と別の職種になりますが、中小企業では、そもそも広報がいない会社も多く、「デザイナー」の募集ではないかもしれません。
しかし、デザインに精通していることを面接でアピールすれば、パンフレット作成などのちょっとした広報の仕事も任せてもらえます。
企業の中でデザインの仕事をこなすのはもちろん、並行してSNS運用などを手を上げて経験を積むことが出来れば、新人広報と遜色ない経験を積むことが出来るでしょう。
美大生が全員、大学でデザインの勉強をしている訳ではないんですよ。
これを読んでいる人の中には、「美大生じゃなくてもデザイナーになれるの?」と心配になる人もいるでしょう。
しかし、ご安心ください。なぜなら、美大生からデザイナーになった人全員が、デザインを専攻している訳ではないからです。
美大生の中には、日本画や油絵などの芸術学を選んでいる学生もいますし、環境分野になると建築学科に近いことを学んでいる学生も多いです。
そのような学生も転職活動のためにポートフォリオを作ってデザイナーになっています。
もちろん、デザインの勉強をしてポートフォリオを作る必要はありますが、スタートラインはさほど変わりません。
また、インハウスデザイナーは「幅広いテイストのデザインが出来ること」よりも、経営層に対して「どうしてこのデザインになったか」を説明する言語化能力のほうが重要になります。
そして、美大生が苦手であると言われている
- 「独創的」「個性」ではない制作物
- 数字に強い
これらの要素をもっているのは非常に強みになります。
美大以外の大学生でも、デザイナーになれる可能性は十分にあるでしょう。
美大じゃない普通の大学生がデザイナーとして広報になる方法
では、具体的に美大じゃない普通の大学生がデザイナーとして広報になる方法を考えていきます。
まず、やりたい業種や仕事内容を想像してみる
まずは、自分がやりたい業種や仕事内容を想像してみてください。
なぜなら、やりたい業種や仕事内容が決まっている場合は、アプローチ方法が変わってくる可能性があるからです。
例えば、インターネット会社のような専門的な知識が必要な場合は、デザインスキルをより強化するよりも、関連の勉強をしたほうがアピール出来るでしょう。
また、ブログを使ってWEBで自社の魅力を発信していきたいならば、デザインスキルよりもライティングスキルをアピールしたほうが良いかもしれません。
このように、やりたい業種や仕事内容が固まっているならば、それにあったスキルを磨いていくことが前提になります。
美大生対象のイベントに参加して、レベルの高さを実感してみる
普通に就活していては美大生に会う機会もありませんので、美大生対象のイベントに参加してみるのも一つあります。
ポートフォリオを企業の人に見てもらう光景は、普通の就活ではなかなか味わえない光景です。
また、企業の人に「美大生じゃない人がデザイナーになるには何をアピールすればいいか?」と直接聞くと、企業が求めている人物が分かる場合もあります。
一般の就活では情報が仕入れにくいと思いますので、まずは行動して情報を収集してみることをおすすめします。
半年間スクールに通って、スキルを身につける
Adobeのデザインツールの使い方を知らない人は、半年間スクールに通ってスキルを身につけることもおすすめしています。
スクールでは実際の業務で使うショートカットキーなども一緒に教えてくれます。
著者はWEBデザイナーなので、WEBデザイナーとしてオススメなところは、以下の条件を満たしているところになります。
- Photoshopを使ってWEBデザインを学べるところ
- PhotoshopだけじゃなくIllustratorの操作も教えてくれるところ
- テンプレートありきじゃなくて、0からのコーディングも学べるところ
- アプリの使い方だけじゃなく、概論的なところから話してくれるところ
- 副業ではなく就職を前提としているところ
- 講師が直接添削してくれるところ
Webデザインスクール「デジタルハリウッド STUDIO by LIG」はWEBデザイナー界隈でも知名度のあるスクールになります。
就職支援も充実しており、大学在学中に通っている生徒さんも多くいる印象があります。
実務に近い形で経験を積んでみる
自分で好きなように作るだけでは、ポートフォリオは単なる作品集になります。
なるべく実務に近い形で経験を積んでみることをオススメします。
一番のおすすめは制作会社でのアルバイト。学生でもアルバイトとして受け入れてくれる制作会社も多いので、就活までに時間がある学生はやってみるといいでしょう。
もし、アルバイトする時間がないならば、
- ココナラなどで自分でバナーを作って売ってみる
- クラウドワークスでコンペに参加する
のも一つでしょう。
また、自分でWordPressでブログを作って投稿してみることで、SEOやWEB広告などのWEBマーケティングを体験してみてもいいでしょう。
経験して感じたことをまとめたポートフォリオを作る
デザイナーを目指す上で、経験して感じたことをまとめたポートフォリオを作ります。
自分の実績はもちろん、自分の強みをポートフォリオにまとめてアピールします。
採用担当者は沢山の人を見るので、パッと見ただけで印象が伝わり、自身の特徴が分かるサイトを意識しましょう。
既卒・職種問わず、就職先を探してみる
今回は広報になるためにインハウスデザイナーになるお話ですが、ひょっとしたらデザインスキルを活かした別の職種の方が、結果的にやりたいことが出来る可能性もあります。
例えば、どれだけ頑張っても、そこまでデザインスキルが伸びなかったとします。
しかし、もし広報を「社内から社外に依頼する役割」「自社をいかにして魅力的に魅せるかを考える仕事」と考えているならば、WEBディレクターのような進行管理者でも、デザイン経験を活かしながら近い業務が出来るかもしれません。
もし、会社で希望の仕事が出来なかったとしても、何かしらのデザインを作ってプレゼンみたり、成果を上げるための雑務をこなしてみたりして、何かしらの実績を残す機会はあると思います。
業務をこなしていくうちに、いつの間にか広報的な仕事に付いているなんてこともあるかもしれません。
自分のやりたいことを言語化しよう
私が新卒君へ伝えるとすれば、「自分のやりたいことを言語化しよう」に尽きると思います。
私が新卒として就活していたころは「WEBデザイナー」なんて仕事も知らず、そのような職業があることを知ったのが、卒業直前の大学4年の1月でした。
じゃあ、どうすれば良かったか考えると、自分のやりたいことを言語化することに尽きるのかなと思います。
「職業」の枠にとらわれず、自分のやりたいことを言語化することにより、「本当に自分がやりたいこと」が何なのかが明確になります。
そして「本当に自分がやりたいこと」を叶えられるのは、自分が希望している職業だけじゃないかもしれません。
幅広い視野で仕事を見るためにも、まずは自分のやりたいことを言語化することをオススメします。