「女子大数学科」という存在をご存知でしょうか?
男臭い理系イメージの象徴である数学科と、華やかなイメージのある女子大のギャップに驚く人が多いかと思います。
筆者自身が女子大数学科出身(東京女子大学 数理科学科)なので、その魅力をお伝えできればと思います。
「女子大数学科」のメリット
何より、華がある
周りは全員女性なので、何より華があります。
文系が9割を占める女子大という環境から、数学科特有の暗い雰囲気はありません。
服装
特に顕著に出るのが服装だと思います。
理系だと「白衣」or「作業着」いうイメージがある思いますが、
少なくとも私は「白衣」や「作業着」を着る授業はありませんでした。
選択する授業によっては理科系の項目がある場合は着るかもしれませんが、理系にありがちな実験室にこもって…ということは基本的にありません。
ぼっちになりにくい
意外かもしれませんが、女子大の方がぼっちになりにくいです。
そもそも考えてみてください。
限られた人数(女子)の中で、仲いいケースって逆に珍しくないですか?
私の高校生時代、同級生に軽く嫌味を言う同級生がいたのですが、その友達と仲良くしなくちゃいけないと思うとゾッとします。
「男性に聞けばいいじゃん」と思う人もいるかもしれませんが、恋愛感情抜きで親身に教えてくれる男性は基本いません。
そもそも「誰かに相談したい」と思うのは主に女性で、男性は自分にメリットが無ければそのようなことをしません。(男性の方が留年率が高いのは、そのせいもあると思う。)
いざという時に男性に頼る的な考えは甘いかと思います。
「社会に出たら男性が多いから」を理由に選択肢を外すのは論外
私の友達でも「社会に出たら男性が多いから」普通の工業大学を選ぶ女子が多かったのですが、社会に出て必要なのは、分からない時に周りの人に相談できる能力だと思います。
「社会に出たら男性が多い」とか言っていた人ほど女性同士で固まりがちで、男性に分からないことを相談しているパターンはあまり見ない気が…
そもそも社会では上司と部下、先輩等という関係性があるので、大学で同級生と仲良く出来る能力はそこまで関係ないと思います。
学費が安くてバイトがしやすい
他の理学部・工学部に比べて、圧倒的に学費が安いです。
国立ならば安いのは当たり前ですが、私学理系だと文系の2倍3倍の学費でもおかしくはないと言われています。
しかし、女子大数学科は文系の学費をベースにした学費設定が多く、理系だからと学費が高くなることはありません。
東京女子大学・津田塾大学は文系と学部が一緒の扱いのため、学費も文系と一緒です。(2021年1月現在)
なお、日本女子大学はちょっと値上がりしてしまいますが、年150万以内で収まる程度の学費です。(2021年1月現在)
授業時間も他の理学部と比べると比較的少ないので、バイトをしながら大学に行くことも余裕です。
真面目な人が報われやすく、留年率が極端に少ない
優秀ならば大企業からの推薦もあり得る
そんな中、真面目に勉強してGPAを4以上取っている優秀な人もいます。そんな人の場合、大企業からの推薦も頂くことも可能です。
ただ、推薦は単願なのに受かる確率も高くなかったので、実際に受ける人は片手に収まるほどしかいなかったように思います。
就職の幅が広い
「理系」枠でも「文系」枠でも就職も可能なので、幅広い就職先があります。
「教育系」「情報通信系」が一般的ですが、意外と「金融系」や「事務系」に進む人も多いです。
3年生ごろになると就活の雰囲気が強まりますが、「簿記」の資格を取ったり、「公務員」の塾に行く人もいました。
デメリット
4年で卒業、就職が一般的
通常の数学科にありがちな「留年して当たり前」な雰囲気がありませんでした。4年で卒業、就職が一般的なため、高校の延長線のような雰囲気がありました。
また、大学院に行く人も少なく、私の大学(東京女子大)で大学院に行く人は2~3人でした。
あのお茶ノ水女子大でも、4割前後の学生しか大学院に行かないそうです。
動いている人とそうでない人で差が生まれる
文系の大学と一緒なのですが、動いている人とそうでない人で差が生まれます。
動いている人はインターンシップっぽいことをしていましたし、インカレで他大学と交流を積極的に行っている人もいました。
資格による効力が難しい
卒業したからといって、「看護師」「薬剤師」のような就職に有利になる資格を手に入るわけではありません。
もちろん、数学・情報の教員免許は取れますが、、、
将来の選択肢を増やしたい人におすすめ
この社会で、大学で学んだことを働いてからも出来るケースの方がレアなように思います。
その中で、理系という選択肢を増やすことで、少しでも自分にあった将来像を見つけられるかもしれません。
「〇〇学科に行ったならメーカーだよね」
「〇〇という資格を取ったならば〇〇という仕事」
というような既存の固定観念にとらわれない仕事をしたい人は、ぜひ女子大数学科を進路選択の一つに選んでみてください。