WordPressのプラグインで、お問い合わせフォームを作成することも可能です。
特に、日本人が開発したContact Form 7は有名で、私のブログでも取り上げています。
この著者はWEBサイト制作を仕事にして5年になります。
現在は、WordPressの専門の会社に勤めており、WordPressで多数のサイトを制作・運用してきました。
私はいわゆる“WordPressガチ勢”ですが、お客様からの強いご希望がない限り、
お問い合わせフォームは、WordPressのプラグインは作りません。
事実、このサイトもお問い合わせフォームはStudioで制作しています。
今回はその理由と、実際にどう運用しているかをご紹介します。
- 個人でWordPressサイトを運用している人
- WordPressでフォームを設置しようとしている人
- お客様からフォームのセキュリティ対策について質問されているサイト制作者
お問い合わせフォームを設置しないだけで、セキュリティが格段に上がる
WordPressの脆弱性は定期的に話題になりますが、特に狙われやすいのがフォーム関連のプラグインです。
2023年には、Contact Form 7の脆弱性が報告され、数千のサイトが影響を受けました。
私が運用していたサイトも、お問い合わせフォームが狙われて、Xserver側から海外IPを止める処置をした通知が来たこともありました…。
脆弱性が報告された瞬間に攻撃の対象になってしまうリスクがあるため、最初から設置しないこと自体が、セキュリティ対策になります。
WordPressを使い慣れているからこそ、こうした部分は「慣れ」で流さず、慎重に判断しています。
高品質なフォームUIはコーディングが難しい
「シンプルなフォーム」といっても、実際には以下のような細かい設計が必要です。
- フォームパーツの見た目や並び
- エラーメッセージやバリデーション挙動
- ブラウザでの差分調整
- スマホでの表示最適化 など
あの有名なContact Form 7も、最初にインストールした段階ではCSSがあてられていないため、最初にインストールした時に驚く人も一定数います。
UIを自由に組める、もっと高機能なフォームプラグインもありますが、制作側としてはそれはそれでCSSが入り組んでいて、カスタマイズがしにくいものです。
プラグインでは満足できないUIにならず、結局CSSをゼロからあてることなりがちです。
だからこそ、フォームだけはUI設計が容易で、運用も安全性の高い外部サービス(例:Google Forms、formrun、formzuなど)を使うことをお勧めしています。
サイトに障害が起きても連絡手段を確保しておける
お問い合わせフォームをWordPress内に設置していると、サイトに不具合が発生したときに連絡手段が絶たれる可能性があります。
たとえば、サーバーがダウンしたり、プラグインの不具合で画面が真っ白になったりした場合、ユーザーは問い合わせることすらできません。それは、ビジネスの機会損失にもつながりかねません。
また、WordPress内で個人情報を取り扱う場合、万が一の情報漏えいリスクや、セキュリティ対策の不備による責任問題も発生します。
セキュリティ対策を怠れば、その責任をすべて自分で負うことになります。
そうしたリスクを避けるためにも、私はフォームはWordPressに設置せず、サイトとは別に管理するようにしています。
第三者のセキュリティ管理に委ねることで、自前での保守負担を減らし、緊急時でもユーザーと連絡が取れる環境を確保しています。
WordPressは強力だけど、万能ではない
私はWordPressを便利なツールとして愛用していますが、「なんでもWordPressで完結させる」ことが正解ではないと感じています。
本業が別にある方やサイト管理に時間を割けない方にとって、WordPressの運用は思った以上に負担が大きくなります。
WordPressの強みは、集客にある
一方で、WordPressのブログ機能やSEOの柔軟性は、集客において非常に強力です。
- 業界の知見やノウハウをブログで発信できる
- 適切なキーワード設計と構造で、検索流入が見込める
「発信の場」としては今でも一線級だと思います。
これからの時代にも「自分の言葉で発信する場」としてブログは活きるのではないかと考えています。
AIの時代のブログの役割は大きい
これからの時代、AIの活用がますます進んでいくと言われています。
そんな中で、AIに正しい情報を学ばせるためにも、信頼性のあるブログコンテンツが果たす役割は大きいと感じています。
AI時代においても、「信頼できる発信の蓄積」という点で、ブログは引き続き価値あるメディアだと感じています。
まとめ
WordPressは非常に柔軟で拡張性の高いツールですが、用途によっては他のサービスのほうが適している場合もあります。
特に「フォーム機能」だけが必要な場合には、外部サービスの利用を検討することで、時間や手間を大きく削減できる可能性があります。
目的に応じて「使い分ける視点」を持つことが、これからのWeb運用ではより重要になってくると感じています。
- WordPressは「集客のための発信ツール」として非常に優秀
- ただし、無理に何でもWordPressでやろうとすると運用の負担が大きくなる
- 時代が変わっても、信頼性のある発信の場としてのブログの価値は高い